音楽にとってせつない成分が大ヒットにつながることは業界の常識でありまして、だからといって演歌の最初からお涙ちょうだいものは売れない。そこはかとなく配合されているのが飲みやすいのであります。ねらってもいないのに出てしまうせつない成分というのが吟醸ハートとしてデリケートな歌い手の心の器を映す気がします。
 最近良く癒しミュージックというものがクローズアップされてきました。この手の癒し系のなかには売らんかな主義丸見えのウソ臭い作られた癒しがでてきて、これは卑しいイヤシとして皮肉を言う人もあります。
 アコーディオンのCOBAさんのステージを昨年より手伝っておりますがこの人のミュージックには哀愁がありその、そこはかとないせつなさがヒットの要因だと思うのですがこの人のステージは癒しどころのヤワなものではありません。この人は客に向かってどやすのであります。客脅してどうするの、このおっさんはと何度思ったことか・・・でも彼の大ファンはどやされたくて来るようなのであります。まあドヤシがイヤシになる希有な体験をしてせつないの定義の難しさが身にしみる昨今でありますが人気絶頂の綾戸智絵さん!私はこの人に何度救われたか?と思えるほどホローの達人であります。この人のステージにはきめごとは有って無いようなもので気分でがらりと変えてしまう凄さは圧倒的!
 入り込むパワーに客は感涙の涙。我々はまた泣かしちゃったよと目の前の観客のせつない涙の波動を受けるのでありました。
 もう一人ジャズヴァイオリニストとしてどこも超満員!寺井尚子さん。この人は強い!一曲目から全開パワーしなやかに美しく聞き手を引きこみ、ジャズもポップスも童謡もエスニックも関係なしで客を酔わす。この強さに人は癒されるのであります。歌いきるパワーはこの御三方は圧倒的に強いのであります。癒しとせつなさとは境界線をどこに引くか難しいものでありますが、結論はパワー無くしてせつなく癒すことは出来ないこと。せつない定義その一はパワー!